平尾昌晃
藤沢への想いや好きなところについて
僕は東京で生まれ、家が戦災で焼けて、片瀬にあった別荘に住むことになり、片瀬小学校二年に編入しました。四年生から湘南学園へ転校し、中学校卒業まで江の島駅から江ノ電に乗って通学しました。随分ヤンチャをしましたが、やさしく見守って下さった先生方や良き友人達に恵まれました。中学二年と三年の時、藤沢市卓球大会で団体と個人の連続優勝をしたこと、片瀬川でハゼ釣りをしたこと、甘くほろ苦い初恋のこと、懐かしいおもいでがいっぱいあります。
いま僕は福祉活動をライフワークのひとつとしていますが、その出発点は中学の時、藤沢の養老院へ慰問に行き、落語を一席演じたことにあります。七年前に市民会館大ホールでチャリテイコンサートを開催した時には、市民の方達にたくさんの応援をして頂き、ふるさとの温かみを感じました。
昨年、湘南学園は創立八〇周年を迎え、私もご恩返しと思って学園内アリーナでチャリテイコンサートをやりました。生徒先生PTA同窓生だけではなく、市内の障碍を持った方々やお年寄りの方達をお招きしました。会場一体となって、参加されたみなさんがショーを楽しまれ、生き生きとされているのを見ながら、僕は、この愛する湘南の地に、もっともっと福祉の輪を拡げていきたい、と思いました。
(平尾昌晃氏2017年没)